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宇宙人はいるのか

では、銀河系内に地球外生命体が居る確率を求めます。まず、生命体が偶然に自然発生する確率を求めます。
約40億年前に誕生した初期の細胞は、遺伝物質が脂質膜の袋で包まれただけの単純なものであり、この原始細胞が増殖し進化することで、高度で複雑な機構を持つ現代の生命に至ったと考えられています。
そして最初の生命体は、@代謝系を有するA細胞という形状を有するB自己複製が可能であることが必要です。その生命体を作るには、アミノ酸、核酸、脂質等有機物が複雑に重合しなければなりません。

アミノ酸の中でも、生体のタンパク質の構成ユニットとなるのは「α-アミノ酸」です。そして「α-アミノ酸」はRCH(NH2)COOH という構造を持ちます。
また、核酸は、リボ核酸 (RNA)とデオキシリボ核酸 (DNA)の総称で生体高分子です。
これらが集まり、ゲノム(遺伝情報)と細胞膜を作ります。

海底火山の噴出口付近の高温・高圧の環境の元で、メタンやアンモニアから硫化水素の還元でアミノ酸などの有機物が作り出されました。

そして、アミノ酸等が化学的にくっついたり離れたりして偶然に1つの生命体が約38億年前頃に誕生しました。

その後、幾らアミノ酸が科学的に結合離反を繰り返しても、一度も生命体は誕生していません。ここから考えても、生命体の誕生は奇蹟であることが分かります。

代謝系から逆算し最低限のゲノム(遺伝物質)を類推して、10万塩基対が必要とされています。塩基対は、水素結合によりアデニンとチミン、グアニンとシトシンとで形成されます。そうすると、自然に生命体のゲノムが誕生する確率=「1/4^100,000」=「1/10^60,205」となります。
著名な天文学者であるフレッド・ホイル博士によると、最初の生命が偶然生まれる確率は、1/10^40,000です。

これは、「小学校などにある25メートルプールにバラバラにした時計の部品を投げ込み、 水流だけで組立つ確率」や「がらくた置き場の上を竜巻が通過し、その中の物質からボーイング747ジェット機が組み立てられる確率」と同じ位奇蹟的なことです。

次に、銀河系内でゲノムの自然合成が行われた回数を計算します。
銀河系にある恒星の数は約2,000億個です。1つの恒星の周りを@生命が誕生する条件を満たす惑星が1個公転しているとしても、@の数は約2,000億個です。

銀河系内でゲノムの合成が自然に行われた回数F=地球にある4つの塩基の数÷(490,000×2個)×(38億年/49万対のゲノムが出来上がる時間)×2,000億です。

地球の生物の総重量は2兆トンです。これを全て塩基対の質量としてみましょう。1つの塩基の質量は5×10^-22gです。ですから、地球にある塩基の数は4×10^39個です。
そして、49万対のゲノムが出来上がる時間を1分とします。すると
F=4×10^39個÷(490,000×2個)×38億年×365日×24時間×60分×2,000億=1.630432×10^60回
です。このとおり、銀河系でゲノムの合成が自然に行われた回数は「1.630432×10^60」回です。

一方、生命体が自然に誕生する確率は「1/10^40,000」でした。したがって、銀河系内に宇宙人が居る確率は
「1.630432×10^60」回÷「1/10^40,000」=1.630432×10^-39,940
です。故に私は『銀河系内に宇宙人は居ない』と結論しました。

では、宇宙全体ではどうでしょうか。
地球に生命が誕生したのは、ごくありふれた現象でしょうか。それとも、地球は特殊な場所だったのでしょうか。

宇宙は激しく膨張しています。一方、地球は宇宙背景輻射を基準にして370km/秒の比較的低速で移動していることが分かっています。

また、ハッブルは天体が地球からの距離に比例した速さで後退していることを発見しました。これは、地球が膨張の中心にあることを示しています。中心以外の場所で見ると、こうはなりません。

この様に、地球は宇宙の膨張の中心付近にあり、余り動いていないことが分かります。ですから、知的生命体が誕生出来たのです。

中心付近から離れるにしたがって、物質はより速く移動します。そして、高速で移動する粒子は動き難くなります。これは加速器の実験で実証済みです。
ビッグバンの中心付近にあり余り移動していない地球でさえ、生命が誕生するのに100億年掛りました。中心付近以外の高速で移動する天体では、生命が誕生するににそれよりも長い年月が掛ります。ですから、中心付近から離れるにしたがって知的生命体が誕生する確率は低くなって行きます。

この様に考えると、ビッグバンの中心付近にある地球に知的生命体が誕生し、地球から天体を観測すると「ハッブルの法則」が成立するのは自然なことと思えます。




宇宙人は居るか

T.特殊な位置
 宇宙人は居るでしょうか。実は、地球は宇宙全体から見ると「特殊な位置」にある可能性があるのです。それを説明します。

U.ハッブルの法則
 @天体は地球から真っ直ぐに後退しています。その後退速度は、地球からの距離に比例しています。これを「ハッブルの法則」と言います。
 では、Aビッグバンにより物質そのものが四方八方へ飛び散っているのでしょうか。それともB宇宙空間自体が膨張しているのでしょうか。

V.空間自体が膨張するか
空間自体の膨張 宇宙全体が、2倍3倍となるような形で相似膨張しているとの考え方が提唱されました。
 スイカを例に説明します。種が天体です。スイカが2倍3倍と生長すれば、種と種との間隔も、2倍3倍と開きます。これで、上手に「ハッブルの法則」を説明することが出来ます。

 しかし、空間にはこれと言った実体がありません。実体のないものが膨張する仕組みは未来永劫説明できません。説明できないことを信じることは「神の存在は証明できないけれども信じる」ことと同じで信仰です。

W.地球はビッグバンの中心にある
天体の後退方向 ですから、科学であるためにはAと考える他にありません。Aで「ハッブルの法則」が成立するのは、ビッグバンの爆発の中心のみです。それを左図に基づいて説明します。
 ビッグバンで物質が四方八方へ飛び散っていると仮定します。
 ビッグバンの中心をOとします。右方向へ飛び散った物質を表現するために、中心Oから少し右に離れた位置をO1(その円周上に点A1とB1がある)、もっと右に離れた位置をO2(その円周上に点A2とB2がある)とします。
 また、反対方向へ飛び散った物質を表現するために、中心Oから少し左に離れた位置をO-1(その円周上に点A-1とB-1がある)、もっと左に離れた位置をO-2(その円周上に点A-2とB-2がある)とします。

 上記のとおり観測者PがOに居る時、全ての物質は距離に応じた速さで真っすぐ後退します。つまり、右に飛び散った赤の円も、左に飛び散った青の円も、Oから見ると∠A1OB1=∠A-1OB-1の大きさに見え続けます。

 今度は、観測者PがO→O1→O2と移動します。光が瞬時に伝わるとしても、Oで∠A-1OB-1の大きさに見えていた青い円は、O1では∠A-1O1B-1の大きさに、O2では∠A-2O2B-2の大きさに見えます。つまり、時間が経過するにしたがって青い円は小さくなって行きます。これでは、天体は真っすぐ後退できません。

 実際は、光は光速度cで伝わるので、Oでは∠A-1OB-1の大きさに見えていた青い円は、O1では∠A’-1O1B’-1の大きさに、O2では∠A’-2O2B’-2の大きさに見えます。やはり、時間が経過するにしたがって青い円は小さくなって行きます。これでも、天体が真っすぐ後退できません。

 この様に「ハッブルの法則」が厳密に成立するには、観測者PがOに居続けなくてはなりません。したがって、ハッブルの法則が成立すると言うことは、地球がまだビッグバンの中心付近にあり、あまり移動していないことを意味しています。

 私は、地球はまだ爆発の中心付近にありあまり動いていないので、生命が誕生し知的生命体まで進化できたと考えます。亜光速で移動する天体上では、物質は動き難くなるので生命が進化することは難しいと考えます。
 この様に考えると「ハッブルの法則」が成立するのは自然なことだと思えます。知的生命体はビッグバンの中心付近でしか誕生出来ず、知的生命体しか天体を観測出来ないのですから。

X.地球の絶対速度
 ロシアのマリノフ博士が、地球の絶対速度を計測しましたが、その速さは考えられていた以上に遅く362q/秒でした。この数値が正しいとすると、地球は現在ビッグバンの中心から
3.26×10^6光年×(362q/秒÷67.8q/秒)=1.74×10^7光年
の位置にあることになります。銀河系の直径が10万光年ですから、その174倍の距離になります。

 宇宙には無数の銀河が存在していることを考えると、地球はビッグバンの中心のかなり近くに存在していることが分かります。

Y.相対性理論
 相対性理論によると、物質の速度の限界が光速であるため、物質は光速に近づく程動きにくくなります。物質の速度がVq/秒の時、静止時の√(1−V^2/C^2)倍しか動けません。

 現在ビッグバンの位置から離れている天体程、速い速度で移動しています。従って、ビッグバンの位置から離れた天体程、その天体を構成する物質は動き難くなります。光速に近い速度で遠ざかっている天体では、物質は殆ど動く事は出来ません。物質を構成する粒子が動き難くなるので、その天体では化学反応も殆ど進行しません。こうなると、生命が誕生することは不可能です。

Z.知的生命体の発生する要件
 地球に生命が誕生したのは、地球がビッグバンの中心の近くにあり、移動速度が遅かったためではないでしょうか。この為に、地球上では化学反応が余り遅れず、生命が誕生することが出来たのだと思います。

 この様に知的生命体が誕生できる宇宙の範囲は以外に狭いのかもしれません。そうなると、宇宙人の居る確率はかなり低くなると考えます。



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