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縁起の法

「縁起」 が、縁りて起こると書くように、人間界であれ自然界であれ、単独で存在しているものはなく、
すべてが互いに縁となりながら現象界を形成している。
すなわち、事象のありのままの姿は、個別性というよりも関係性や相互依存性を根底としている。
 一切の生きとし生けるものは、互いに関係し依存し合いながら、生きた一つの コスモス(内的調和)
、哲学的にいうならば、意味連関の構造を成しているというのが、大乗仏教の自然観の骨格なのであります

二乗は、到達したそういう境涯をも絶対視しないのです。とらわれない。
無色界が自分の境地を究極のものと思っているのに対し、二乗は、成仏へと更に進むための
“途中”ととらえている。
とらわれない。縛られない。「空」と見る。すべてを縁起(縁によって起る)と見る。
: ものごとを縁起的に見るというのは、どんなものでも、ある因とある縁が結び合って成り立っている、
「すべては互いに依り合って存在している」と見ることです。
 そこにまた新たな因と縁が加われば、すぐに変化してしまう。
ですから、どんなものでも、因と縁が仮に和合して成り立っていると見る。いわゆる因縁仮和合です。

縁起(えんぎ)
?あらゆるものごとが因と縁によって生ずること。ものごとの生成に関する法理で、
仏教の根幹をなす。サンスクリットのプラティーティヤサムトパーダの漢訳。
生きていく中で感じる苦悩がどのように起こるかを解明し、その解消を図るもの。
その大綱は、煩悩・業・苦の三道で示され、煩悩→業→苦という苦悩の生起の過程を説く。
これは業感縁起と呼ばれ、四(聖)諦のうちの苦諦の内実をなす。
縁起の法を知ることによって、煩悩から離れて覚りの智慧を発揮し苦悩から解放される。
これは四諦のうちの滅諦に相応し、また、法身・般若・解脱という三徳の確立と整理される。
仏教思想の発展に伴い、種々の縁起が説かれていった。以下、主要なものを挙げる。
@十二因縁。十二(支)縁起ともいう。苦悩へと至る過程を12の項目(支)に分けて説くもの。
一に無明、二に行、三に識、四に名色、五に六処、六に触、七に受、八に愛、九に取、
十に有、十一に生、十二に老死である。
この順に、無明から行が起こり、ついには老死という苦が起こるという過程を流転門といい、
この過程を見ることを順観という。
また、無明が滅すれば行が滅し、ついには老死が滅するという過程を還滅門といい、
この過程を見ることを逆観という。
順観・逆観の両方で、苦悩の生成消滅の因果を知り、この因果についての無知すなわち無明が、
苦悩の根本原因であると覚知する。
それによって、無明から離れ、結果として苦悩から解放される。部派仏教の時代には、
説一切有部では、十二因縁の各支を三世に配当し、無明と行は過去の因、識と名色と六処と触と受は
現在の果、愛と取と有は現在の三因、生と老死は未来の果とする。
これは、三世にわたって二重の因果を説くので、三世両重の因果という。
A空と縁起。竜樹(ナーガールジュナ)は、縁起と空性を同一視し、
空の思想を仏教の伝統法理である縁起に結びつけた
。『中論』では「衆因縁生法は|我即ち是れ無なりと説く|亦是を仮名と為す|亦是中道の義なり」と述べられている。
B阿頼耶識縁起。唯識思想で説く縁起。阿頼耶識から一切諸法(あらゆるものごと)が出現すること。
略して頼耶縁起ともいう。種々の心身の行為は阿頼耶識に習気[じっけ](潜在的影響力)となって蔵され、
それが諸法の種子となり現行[げんぎょう](現実にあらわれた種々の働き)を起こすとする。
また発展した説では、阿頼耶識の中には一切の有漏の妄染の法と無漏の真浄の法との種子がともにあり、
縁によって染法は迷いとなり、浄法は覚りとなって現れるとする。
C真如縁起。ものごとを支える根本・真実の原理である真如からあらゆるものごとが生ずること。
真如法性から起こるという説なので性起説ともいう。
D如来蔵縁起。衆生にそなわる如来蔵からあらゆるものごとが生ずること。
E法界縁起。華厳宗で立てられる縁起。一切のものごとが、究極の真理の表れであり、それぞれが互いに縁となり、
障害なく通じ合って融和して起こっていること。?三道/四諦?神社縁起、寺(山)縁起、経縁起などというように、
神社仏閣や経典などの起源・沿革・由来などをさす。
?吉凶の前兆。俗に縁起がよいとか、縁起をかつぐなどの迷信的なものをいう。


因縁(いんねん)
?原因・理由のこと。果を生じる内的な直接の原因を因といい
、因を助けて果に至らせる外的な間接の原因を縁という
。因と縁が合わさって(因縁和合)、果が生まれ報となって現れる。
仏法の生命論では、一切衆生の生命にそなわる十界のそれぞれが因で、
それが種々の人やその教法にふれることを縁として、
十界のそれぞれの果報を受けるとする。
衆生の仏界は、仏の真実の覚りの教えである法華経を縁として、開き現され、成仏の果報を得る。
?四縁(因縁・次第縁・縁縁・増上縁)の一つ。果を生む直接的原因のこと。狭義の因の意である。
?説法教化の縁由。なお法華経迹門で、化城喩品第7における過去世からの釈尊と声聞の弟子たちとのつながりを明かし
因縁を示した教説を聞いて正法を信解し、未来における成仏の保証を与えられた人々を、因縁周という。?化城喩品
?経典をその形式・内容に基づき12種類に分類した十二部経の一つ。ニダーナの訳。
縁起ともいう。説法教化の縁由を示すもの。?十二部経
?因縁釈のこと。天台大師智が『法華文句』で法華経の文々句々を解釈するために用いた4種の解釈法(四種の釈)の一つ。
四悉檀によって仏と衆生との関係、説法の因縁を釈したもの。?四悉檀







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